米国では2025年も、ゴルフの年間ラウンド数が過去最高を更新しました。
注目すべきは、ゴルフ場の数がピーク時より
約2000コースも減少しているにもかかわらず、この記録が達成された点です。
この事実は、US-NGFが指摘するように、「施設の数(量)」ではなく、
「ゴルフを続ける人の質と構造」が変化していることを示しています。
米国では、短時間プレーや9ホール、オフコース施設などを通じ、
初心者や若年層が無理なくゴルフに触れ、継続できる環境が整えられてきました。
しかしそれは、単に「手軽にした」という話ではありません。
導入段階において、ゴルフの本質が丁寧に守られていることが、
結果としてプレー人口の持続につながっているのです。
一方、日本はまったく異なる課題を抱えています。
長年ゴルフ界を支えてきた団塊の世代が、
年齢とともに一気に第一線から退いていく局面に入りました。
これは一時的な減少ではなく、世代構造そのものが入れ替わる転換点です。
にもかかわらず、日本では「新規ゴルファーをどう育てるか」という議論が、
十分に成熟しているとは言えません。
近年、ゴルフは確かに始めやすくなりました。
シミュレーター、レンタルクラブ、カジュアルな練習環境。
しかしその一方で、教えてくれる上級者や、
「正しい導入を担う指導者の不在」という深刻な問題が進行しています。
誰にも修正されない自己流のゴルフが、
入口で定着してしまう危険性が高まっているのです。
導入部分で間違ったゴルフが根付いてしまえば、
それは個人の問題に留まりません。
ゴルフは、ルール・マナー・自己管理・他者への配慮によって成立する、
極めて文化的なスポーツです。
その本質、すなわち「正統ゴルフ」が歪められたまま広がってしまえば、
日本のゴルフそのものが痩せ細っていくことになりかねません。
だからこそ、今もっとも重要なのは、初めてクラブを握る一人ひとりの体験です。
その体験が、「難しい」「分からない」「向いていない」という記憶で終わるのか、
「理解できた」「続けたい」「学びがある」という入口になるのか。
その差が、その人のゴルフ人生を決め、
ひいては10年後、20年後の日本のゴルフ文化を形づくります。
NGF FAR EASTでは、ゴルフを単なる娯楽や技術としてではなく、
人を育て、人生を豊かにする教育文化として捉えてきました。
正統ゴルフとは、古い価値観を守ることではありません。
ゴルフが本来持つ秩序と精神性を、時代に合わせて正しく伝達することです。
便利さの時代だからこそ、導入の質が問われます。
初めての一打に、私たちはもっと責任を持つべきです。
その一人の体験が、未来の日本のゴルフを静かに、確実に作ってしまうのです。
NGF FAR EAST
代表 宮田 万起子
National Golf Foundation Far East