我々の考えるゴルフのルールとエチケット

R&A(英国ゴルフ協会) と USGA(米国ゴルフ協会)は 2020年の定期ルール改定を1年前倒しにし 2019年1月から大幅なルール改訂を敢行する計画を発表しました。

大幅な変更がなされた今回の新ルールでは、世界的にゴルファー人口が減ってきている背景を元に、ゴルフの普及とルールの簡略化、プレーのスピード化を狙いにしています。

これからも普及に向けてルールが簡略化されていくことになると思いますが、NGFではルールやエチケットの根本は精神理念「フィロソフィー」であることは古くから一貫して同じ考えです。
引き続き皆様がNGFの指導員をしていく上で、古来より続いているゴルフルールの基本である「あるがままにプレーをする」、「自己審判制度」というゴルファーズ・マインド精神を守り、伝えていくことの大事さを再確認して頂きたいと思っています。 ゴルフの規則が簡略化されても「ゴルフの本質」は変わりません。

「あるがままに」と「自己審判制度」とは、「神の審判」によってという、とても重い概念と意味が前提に含まれています。そして余りの重さに「アンプレヤブル」という救済措置ができました。アンプレヤブルとは「物理的に打てない状況」と「技術的に打てない状況」の二つがありますが、「心情的に打てない状況」というのを自己審判制度は加えたのです。実際にあったケースとして「卵のあるひばりの巣に接していた場合」、「美しい野の花に接していた場合」、「トンボが止まって離れなかった場合」など、本来であればいずれも「あるがままに」に打つのが大原則ではありますが、自己審判制度は誰の判断を仰ぐことなく、ワンペナルティーを払って小さな命の救済をすることを許しています。いずれの場合も理由など説明しなくても、ただ一言「アンプレヤブル」と大声で宣言するだけでよいのです。ゴルフの基本理念とは、なんでもないルールの中にフィロソフィー(哲学)が根付いている素晴らしいゲームなのです。この何気なく垣間見えるゴルフのフィロソフィーに触れた時、人はゴルフの素晴らしさの虜になるのかもしれません。

NGFで発行してきた「Golf Rules & Etiquette」の最後の付録に最古の規則「13条のルール」があります。こちらはなかなか他のルールブックに掲載されておりませんので、改めて再読されることをお勧めします。

NGF FAR EAST 代表  宮田 万起子