初心者の「ゴルフの障害を打ち破る」序章 第1回(第1〜5回)

初心者の「ゴルフの障害を打ち破る」序章 第1回(第1〜5回)

今回は、ゴルフを始める上での「障害」についてお話ししたいと思います。

 米国NGFでは、今年も「ニューゴルファー育成」問題に注目しています。

ゴルフをしたことのない人にとって、ゴルフを始めることはとてもハードルが高いことです。コースに立つまでに最低限何を準備しなければならないのか、これを考えるだけで面倒臭いことかもしれません。 

そうしたゴルフを始める上での障害を解消するために、私たちに何ができるかを考え、取り組んでいこうというお話が今回の話題です。 

2013年にもこの問題は米国NGFで取り上げられましたが、未だ改善されず問題が解消されていない状況が続いています。一方、日本でも同様な問題は以前より存在しており、米国だけでなく、日本でも真剣に取り組まれなければならない重要な問題と言えるでしょう。 

今回、米国NGFから発表されている“Breaking Down Barriers to Golf Participation”の記事を日本語で紹介することを通して(一部意味がわかりやすくなるよう、私の方で説明を加えている部分もあることをご了承ください)、ゴルフ未経験者がゴルフを始める上での障害を解消することを目的とした、米国ゴルフ界での「ゴルフプロフェッショナル」の取り組みをご紹介します。

ゴルフの障害を打ち破る」

もし、あなたがゴルフ場で働いている場合、頭打ちになっている来場者数を増やすためにどのような対策をしていますか?

NGFでは2013年に取り上げたトピックを今年も掘り下げ、興味はあるけれどまだゴルフをしたことのない人(ノンゴルファー)に対して、ゴルフを始める又はゴルフの再開を妨げている原因について尋ねました。

その結果は、以下のとおりであり、2013年当時の問題と同じであることが分かりました。

  • 費用と時間の心配
  • 社会的障害(仲間がいない。誘われない。)
  • ゴルフ技術の不足や恥をかくのではないかという心理的恐れ
  • 習慣が身についていない

興味深いことに、これらの問題は2013年から今日に至るまで、あまり問題視されないまま残っており、未だ克服されていません。実際、ノンゴルファーの5人に1人がゴルフに興味を持っているということは、全米で約900万人の潜在的なニューゴルファーがいることを意味します。しかし、彼らが実際ニューゴルファーとなるに至っていないのは、 (「時間」、「費用」、「社交」、「技術の問題」の4つの障害ゆえに)単にゴルフをする機会がないためだけなのです。

今回は序章に過ぎませんでしたが、次回から「時間」、「費用」、「社交」、「技術の問題」の4つの課題について、米国ゴルフ場で取り組んでいる成功例をご紹介します。

NGF-FEでは、「ゴルフプロフェッショナル」の人材養成をしています。

「ゴルフプロフェッショナル」とは、どのような人物を想像しますか?

NGF-FEの理念としては、「ゴルフプロフェッショナル」とは、ゴルフビジネスに携わる前に、ゴルフの本質や理念を理解し、ゴルフ文化の良き伝達者・普及者として社会に貢献するものでなければならない、と考えています。

欧米では「ゴルフプロフェッショナル」と称される人物に対して、聖職者と同等の社会的地位が認められています。それは、ゴルフが青少年の倫理道徳教育に役立ち、地域社会のコミュニティづくりや高齢者の生きがいづくりに貢献しているからなのです。

是非、日本のゴルフ界にもこのような文化が浸透し、「ゴルフプロフェッショナル」という職業が定着して欲しいと思います。これが実現することで、「ゴルフプロフェッショナル」という職業に就く人たちは、誇りを持って真剣に自分の職務に向き合えるのだと思います。

NGF WORLDのスタディプログラムの中にある、マーケティングの章(ゴルフ経営原論、第一部ゴルフビジネス、第一章マーケティング)では、ゴルフをマーケティングの視点からどのように捉えれば良いかを説明しています。これらの問題を踏まえて、同章を読み進めて頂いた際、ご自身の職場に適した優れたアイデアに繋がっていただければと願っております。

NGF FAR EAST 代表  宮田 万起子

 

会員用参考資料:ゴルフ経営原論、第一部ゴルフビジネス、第一章マーケティング (会員以外の方はイントロダクションのみ閲覧可能です)

US-NGF本文リンク:https://www.thengfq.com/2019/10/breaking-down-barriers-to-golf-participation/?utm_s_medium=Q&utm_campaign=Oct19&ID=1428257