先日、オーストラリア人の青年と一緒にラウンドする機会がありました。
何気ない一日でしたが、改めて「ゴルフとは何か」を考えさせられる、とても印象深い時間となりました。
彼がゴルフを始めたのは10歳の頃。
祖父にゴルフ場へ連れて行ってもらったことがきっかけだったそうです。
その時、おじいさんから最初にゴルフを始める上で語られたことは技術ではありませんでした。
「ゴルフは、一人でも楽しめるスポーツだ」
「忍耐や規律を学ぶことができる」
「だから、ぜひやってみなさい」
そして何よりも、「まずは楽しむこと」を教えられたそうです。
この話を聞いて、とても深く考えさせられました。
日本では、ゴルフというとスコアや技術向上に意識が向きやすく、
気づけば「評価されるゴルフ」として捉えられてしまうことがあります。
しかし本来ゴルフは、人生と長く付き合える「文化」でもあるのだと思います。
彼は今でも友人とプレーするときは、基本的にチーム戦で楽しむそうです。
マッチプレーよりも、仲間と笑いながらプレーする方がずっと楽しいと自然に話していました。
その姿から、オーストラリアに根付くゴルフ文化の豊かさを感じました。
一方で、彼自身も若い頃、一度ゴルフから離れています。
真剣に向き合えば向き合うほど、自分のミスを許せなくなり、次第に苦しくなってしまったそうです。
そこでゴルフをやめ、クリケットに挑戦しました。
しかし大人になってから始めたスポーツは簡単ではなく、2年ほどで断念。
そして再びゴルフへ戻ってきたのだそうです。
現在の彼は、「エンジョイゴルフ」を大切にしています。
週に1回、一人で静かにラウンドしたり、
友人たちとチーム戦を楽しんだりしながら、
ゴルフと良い距離感で付き合っています。
今回一緒に回っていて特に印象的だったのは、彼の空気感でした。
ミスをしても「大丈夫、大丈夫。楽しんで」と自然に声を掛けてくれる。
その穏やかさや安心感が周囲にも伝わり、私自身もとてもリラックスしてプレーすることができました。
ゴルフは、技術だけではなく、その人の人間性や生き方まで映し出すスポーツなのだと改めて感じます。
AI 時代になり、効率や成果ばかりが求められる時代だからこそ、
ゴルフが持つ「人と穏やかに関わる力」や「共に楽しむ文化」は、
これからますます大切になっていくのかもしれません。
NGF FAR EAST
代表 宮田 万起子
National Golf Foundation Far East