コロナ禍でゴルファー人口が増加中

コロナ禍でゴルファー人口が増加中

 米国NGFのジョー・ベディッツ会長から届いたアナウンスによれば、コロナ禍において米国ゴルフ場には、多くの初心者や若者、ゴルフ復帰者からの問い合わせが相次ぎ、昨年度に比べゴルフ場利用者が14%も増加しているそうです。

特に、6〜17歳までのジュニアにおいては、昨年度の同時期平均よりも、ゴルフ場利用者が大幅に増えているとのことです。これはこの調子で増え続ければ、年末までに推定50万人(前年比+20%)のジュニアゴルファーが増える可能性を示唆しています。データによれば、従来よりもゴルフを始める年齢層が低く、また、女子の数、人種・民族の多様性(白人以外で25%)が増えている中で、ジュニア用のゴルフセットの需要も増えています。

また、ジュニアだけでなく初心者とゴルフ復帰者の数が同じくらい増加傾向にあり、その増加率はともに約20%にも上ります。

これらの数字の結果はゴルフ界にとって喜ばしいニュースですが、一方で手放しでは楽観視できない点にも留意しなければなりません。初心者としてゴルフを始めたニューゴルファーを生涯ゴルファーとして定着させることができるかという別の課題が残されているためです。新規ゴルファーがゴルフ場に期待する満足感に、ゴルフビジネス従事者がどれだけ誠実に答え、常に改善していく姿勢が求められています。

 

上記のことが、日本でも同様の傾向として生じる可能性があります。コロナの影響下においても、密を避けやすいスポーツとしてゴルフは今後も注目されていくでしょう。

日本でも同様に新規ゴルファーの定着に取り組むためには、従来のゴルフ界の常識から脱却し、こうしたジュニアや女子といった新しい時代のニューゴルファーにとって、利用しやすい料金体系や、利用しやすいコース設計、利用しやすいイベント・レッスンを取り入れていく必要があります。

NGFゴルフ経営原論では、「管理者志向から利用者志向に移行するメンテナンス」という章の中で、新たな時代の新たなタイプのニューゴルファーの視点からゴルフビジネスのあり方を捉え直す、経営発想の転換について紹介しています。これらは利用者側に立った視点でのサービス提供が求められていることを示唆していますので、それぞれの立場でご自身の活動に当てはめて取り入れてみると新しいアイディアが生まれてくるかもしれません。

特にセルフプレーがさらに主流になる時代です。初心者には「セルフプレーでコースを回る力を付けるレッスン講座」などを設けることも、一つの目標作りにおすすめと言えるでしょう。

ゴルフ経営原論 – 第一部ゴルフビジネス – 第四章(2)施設マネジメント – 3管理者志向から利用者志向に移行するメンテナンス(https://www.ngf-fe.co.jp/member/g/software/text/GB/GB_1_4_2-3.html)

 

NGF FAR EAST 代表  宮田 万起子

 

次回は、増加傾向にあるジュニアゴルフの取り組みについてお話しします。