ゴルフ場を増やさずに、ゴルフ市場を成長させるには

 

 

米国のゴルフ市場が、再び興味深い記録を示しています。

米国 NGF によると、2026年前半のラウンド数は前年同期を約4%上回り

6年間で5度目となる年間最高記録というペースで推移していました。

 

注目したいのは、単に「ゴルフ人気が高まっている」ということではありません。

米国では、かつてラウンド数の記録を作った2000年と比べて

現在のゴルフ場数は約2,000コースも少なくなっています

それにもかかわらず、近年は過去のラウンド記録を何度も更新しています。

 

つまり、ゴルフ市場の成長は

必ずしも「ゴルフ場を増やすこと」だけによって

生まれるものではないということをよく表しています。

 

既存のゴルフ場をより多くの人が利用し

ゴルファーが継続してプレーし、限られた施設を効率よく活用する。

それによって、市場全体を成長させることもできます

 

その背景には、ゴルフに対する社会的イメージの変化だけでなく

オンライン予約などのテクノロジーによって、ゴルファーと空いているティータイムを

効率よく結びつけられるようになったこともあります。

これは、日本のゴルフ界にとっても重要な示唆ではないでしょうか。

 

人口減少が進む日本では、新しいゴルフ場を大量につくる時代ではありません

しかし、すでに存在しているゴルフ場、練習場、インドア施設、スクール、指導者

そして教育コンテンツという大きな資産があります。

 

問われているのは、それらを「どれだけ持っているか」ではなく

「どれだけ活かせているか」なのかもしれません。

さらに重要なのは、ゴルフとの最初の出会いを

一度きりの体験で終わらせないことです。

 

初心者がゴルフに出会い、基礎を学び、コースへ行き

仲間と出会い、上達を楽しみ、年齢を重ねても続けていく。

「参加者を増やす」だけではなく、「生涯ゴルファーを育てる」という視点を持つことで

既存のゴルフ資産にはまだ大きな可能性が生まれます。

これからの日本のゴルフ界に必要なのは、「もっと施設をつくること」よりも

「今あるものを、誰に、どのように開いていくか」を

考えることなのではないでしょうか。

 

ゴルフ場を単なるプレーの場所から

人がゴルフと出会い、学び、交流し、人生を通じて戻ってこられる場所へ。

米国の記録的なラウンド数は

そんなゴルフの未来について考える材料

私たちに与えてくれています。

 

最後に、次回のワークショップでは

米国でなぜゴルフ場数が減少しているにもかかわらずラウンド数が伸びているのか

既存のゴルフ施設や人材、教育コンテンツを

どのように活用すればよいのか

そして初心者を一度きりの参加者ではなく

生涯ゴルファーへとつなげていくには何が必要なのかについて

皆さんと深く掘り下げたいと思います。

 

 

 

NGF FAR EAST

代 表 宮田 万起子